父親「WRX納車されたけど、どっかドライブ行く?」
僕「ぜひ行きたい!」
父「じゃあ熊野山巡りでもするか」
僕「え、それ日帰りで行けんの!?!?」
という経緯で、車で行く熊野三山巡りが決まりました。
熊野三山とは、世界遺産“紀伊山地の霊場と参詣道”の構成要素である、
熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の3つの神社の総称です。
地理関係は以下の通り↓↓

3つの社はそれほど離れていないようです。
ただ大阪発となると話は別。紀伊半島の辺境まで行くには、中央を縦走して山抜けしなければなりません。
これはなかなかのハードコースになるぞ・・・
8月13日 午前6:10@大阪北摂地域某所
父親のWRX STIが到着。

ポルシェを買うと言っていた父親が、気づけば公道最速の国産峠モンスターを手に入れていたのには笑ってしまった。
いつまでも若い心を持ち続けてほしいところです。
朝の空いた高速を快走し、最初の目的地:熊野本宮大社に向かう途中
山中に見えた吊り橋:谷瀬のつり橋を観光することにします。

有料駐車場に停車。
黒のホイールと黄色のキャリパーがカッコいい。

朝8時とはいえ、蒸し暑い空気に包まれ、じんわり背中に汗が滲みます。
橋を渡りながら足元を見ると、


雄大な自然が眼下に広がり、冷涼な川の空気と足元54mの谷底にひんやりとした気持ちにさせられました。
戦後の貧しい時代に、谷瀬集落の住民たちが1戸あたり200〜300万円(当時の物価で)を投げ打って完成させた吊り橋。
物質的に豊かでありながら精神的に貧しくなったと言われる現在、このような人のあり方を思い出す契機にもなりました。
さて寄り道に時間を割きすぎてもいけないので、先を急ぎます。
谷瀬のつり橋から比較的Rの緩やかな快走路を進み、10時ごろ熊野本宮大社に到着。

大阪から4時間かけて、三社の一つ目にたどり着きました。

コロナが蔓延する2020年の夏は、街より自然に繰り出す人たちが多いようです。
山中が開けて門前町が現れたかと思えば、大社の境内も不自然なほど人で賑わっていました。

木陰で涼しげに見えますが、普通に暑い。
静謐な雰囲気とは対照的に湿気の多い熱気が肌にまとわりつきます。

家族連れもカップルも一人で歩く中年男性も、
皆が汗を流しながら生気に満ちた表情で参道を下っていく姿を見ると、
各々の“夏“がようやく始まったんだなと僕も嬉しさに足取りが軽くなります。
神門をくぐると荘厳な本殿につきあたりました。

主神の家津美御子大神(けつみみこのおおかみ)をはじめとし、天照大神など四神がそれぞれの棟に住まう
いわば神々のシェアハウス。
賽銭箱も分かれており、どうやら参拝の順番が決まっているみたいです。
そんなことを知っているわけもなく、間違った作法でお参りし、ブログを書くときに気づくも後の祭り。
出雲大社といい、大御所の神社には変化球が多いので気をつけなければ。
熊野本宮大社を参拝した後は、徒歩で数分の距離にある“大斎原“にも足を運んでおきます。

“オオユノハラ“と読むこの地は、もともと熊野本宮大社の旧社があったところで、
明治の水害に伴い、大社は今の場所に移転されました。



開けた中洲にどっしりと構える鳥居の光景はまさに壮観です。
神が舞い降りたと言われる神々しさを感じとることができました。
炎天下のもと上昇した体温を下げるべく、キャラメルアイスを食べたら

次の目的地:熊野速玉大社に向かうことにします。

熊野川に沿って走る国道168号線はなかなかの快走路で、
エメラルドグリーンに染まった川の色を楽しみながらドライブ。

車の運転があまり得意ではない人でも気持ちよく走れると思います。
この辺りから車の数が増え始めましたね。
コロナ自粛といえど、連休真っ最中なので流石に人は動くことでしょう。
アフターコロナの新生活様式は、家族単位の車旅行が再評価路線になるのでは。
街より自然。
公共交通機関よりマイカー。
その兆しをひしひしと感じながら、山道を抜けると、海辺の町新宮に到着しました。
新宮には第二の目的地:熊野速玉大社があります。
朝6時頃大阪を出発して既に5時間半ほどが経過。
朝飯抜きで小腹も空いてきたので、手っ取り早く参拝を済ませます。

熊野速玉大社の主催神は熊野夫須美大神=イザナミ。
イザナギの妹兼夫で闇落ち属性も備えているらしい神様。
よく分かりませんが、間桐慎二と間桐桜のバッドエンドIfルートみたいな感じか(´_ゝ`)
速玉大社に10分ほど滞在した後は、飯屋に向かいます。

車を30分ほど走らせてやってきました、勝浦漁港!
美味しいマグロを食べようと、各人気店の前には長蛇の列が形成されていました。

一番人気の店は十数名並んでいて、いらちの父親がイライラし始めそうなので、
三番人気くらいの「まぐろ三昧那智」に入ることにします。
そして出てきた一品がこちら↓↓ 生マグロ丼¥1100

とにかく食べやすい。
筋や血生臭さが嫌いで、普段マグロの赤身はほとんど食べないのですが
新鮮な刺身だと本当に美味しいですね。身ももっちりしていて、スシローで食べるより断然美味。
そういえばこの地で僕はマグロを食べたことがある。思い出した。
大学1年生の若かりし頃、サークルの友人たちと初めて旅行できたのが那智勝浦だった。
懐かしい。時間の経過を少し寂しくも感じる。
大学生時代どんな気持ちで過ごしていたのか、ブログに残していたのだった。
熊野古道&凪あす聖地巡礼旅行 ~1日目~
当時の僕の目には何もかもが新しく見えて、胸躍るような体験をしていたようです。
そんなことを思い出せるのがブログを書く利点なんですよね。
だからこうして旅日記を書くことを再開しました。
何もしなければ儚く消えてしまう気持ちや思い出を固定するために。
誰かに読んでもらうというより、未来の自分に読んでもらうために。
そんな中で他の人にも興味を持って閲覧してもらうことができれば、一石二鳥でやりがいがあるってものです。。
飯を食べ終えたら、車で那智大社に向かいます。
道中多くの駐車場に誘導されますが全てスルーして頂上まで行くのが最適解。

車も少なくなるし、何より勾配のキツイ坂を登らなくて済む!
山頂駐車場から見る那智滝の風景は絶景でした。

滝と寺社が並ぶ光景は本当に壮観ですね。
雄大な自然と悠久の歴史に想いを馳せることができる。
大自然の中に神秘的なものを見出し、祈りを捧げてきた古人の気持ちに共感することもできる。
そんなことを考えながら、那智大社の方も参拝してきました。




山頂駐車場付近はこれら絶景をバックに、車の写真を撮れるのが良いところ。




皆さんもぜひ愛車とともに、最高の一枚を撮りにきてはいかがでしょうか。
ていうか僕も最近購手に入れた愛車“86“で訪れたくなりました。
さて、今旅の目的「熊野三社巡り」は達成することができたわけですが、帰るまでが遠足です。
大阪までの復路は長い。
ここでドライバーミサカ⭐︎が緊急登板することに。

海沿いの道を1時間ほど運転しました。
自分の車と全く違う。
まず4WDなので思い通りに曲がらない!アクセル踏みながらじゃないとハンドルが重くて曲げにくい。
クラッチも重くて低速ギアだと繋げにくい印象。
一番違うのはターボの加速!
アクセルを踏み込み回転数を上げると、〜シュイーン〜という高音が鳴り響きながら加速する。
86も同じ2Lエンジンですが、こんなにも変わるのか。。
シートに背中を押しつけられるような感覚は初めてでした。やっぱりターボ車はいいね😊
そんなこんなで見事中継ぎを務めて、ガソスタで運転手交代

残りは父親が運転します。

40歳くらいまでサーキットとか走っていた父の運転はマジで速い。
途中に通った309号線は道幅が狭い、路面が悪い、急カーブ連続の三拍子揃った酷道だったのですが、
ラリーでもしているような気分で快走していく。

同乗している方が疲れてしまっても何のその。
本当に楽しそうに運転する親の姿を見ると、少し嬉しくなりました。
子育て仕事に生活の大半を捧げてきたのだから、これからは自分の生きがいも大切にしてほしいですよね。
大阪まで帰る途中で、奈良山奥のとある場所に寄り道してもらいます。
やってきたのはここ↓

日本各地の渓流、渓谷にも足を運びましたが、奈良の「みたらい渓谷」が暫定一位ですね。
そんな川をまた見たくなってやってきてしまいました。
御手洗渓谷ハイキング日記
4年ほど前、ヤマノススメにはまって熱心に山登りをしていた時期を思い出します。
意図せずして全く同じ構図の写真を撮っていました。
時間が経って、自分も変わったと思っていましたが、本質的な部分はそう変わらない。
変わったと思っている部分だけ変わっていて、意識していない部分は同じまま。
そんなことを暗示した一枚ですね。
御手洗の山奥には夜の帳が下りてきました。

賑やかに歩いて帰路に着く家族づれとすれ違い、僕たちは静かなハイキングコースを進みます。



木々の間にかかるつり橋がいい雰囲気。
深い緑色をした樹木と透き通るエメラルドグリーンの清流。
そんな緑“一色“の世界に、異質な岩崖が現れました。

ここは僕が一番好きな渓谷で一番好きなスポット。
秘境という言葉がピッタリ似合う場所なので、ぜひ旅好きの方には足を運んでもらいたいですね。
↓岩はだを進む弟

↓冷涼な川水に足をつけて佇む

しばらく森林浴をしながら夜が来るのを待ち、この清流を後にしました。
というわけで、今回の旅は終わりです。
大阪に戻って、東大阪の横綱ラーメンを食べながら完走を喜ぶ。

日帰り旅行とは思えないほどの密度でした。
やはり旅は良い。
味気ない日常を忘れさせてくれます。
非日常を求めて、これからも色んな所を巡りたい。
たまに時が交錯して、以前の自分を思い出させてくれるから、尚良い。
積み重ねてきた過去を振り返り、変わったもの変わらないものを見させてくれる。
今この楽しい時間もすぐ過去になって、感慨深く思い出すんだろうなと、
未来と今の儚さを意識させてくれる。
このように、
旅をしながら意識の表層に浮かび上がる様々な思念を書き綴るブログに、今後していきたいですね。
あ、最後になりましたが、
『熊野三山は日帰り制覇できるか』とのタイトルに対する答えは「YES」です。