夏の中部地方ツーリング三日目~目指せ国道最高地点編~
- 2018/12/06
- 08:28
台風から逃げのびることばかり頭の中に合った前日と違い、
この日は見事な台風一過、雲ひとつ無い青空、旅もいよいよ大詰めで心が躍ります。
気分が晴れやかだと箸もすいすい進み、初の湯さんの朝食を戴く午前8:00。


旅においては、先を急いであれもこれもと観光地を周るのも良いですが、
たまには心身の癒しを求めて、行程に“ゆとり”を持たせるのも大事。
もう若くないしそういう旅がしたいと思い始めた今日この頃。
特に温泉旅館に泊まった翌日、早朝からやかましい排気音を鳴らして立ち去るなんて言語道断でしょう。
情趣というものを全く分かっていない。
平安時代なら後ろ指を指されてしまいます。
ということで
平日朝の穏やかな温泉街をゆったりまったり散歩しながら、外湯巡り始めちゃいます♪

昨晩の橙色に照らされた雰囲気有る“あぶらや”も、日中に見れば趣深さは薄まって

それでも、夜には真っ暗だった小路に目をやれば、また違った情趣を感じることもできますね。


道路の両脇には暴風により散ってしまった枝木が溜まっていて、
それを箒で掃く宿の老母に挨拶をされれば、たいへんですねと一言交わし
朝の生活感ある“せわしなさ”を感じながら、まったり散歩するのは対比効果も相まって、優越感すら覚えるほどです。
そうして暫く温泉街のメインストリートを歩いて行き、「大の湯」に到着。

管理人がいないので、旅館で手渡された鍵を使って小屋の中に入ると、
狭い脱衣所を挟み
源泉かけ流しの貸切風呂がありました。

昨晩の旅館に付いている温泉で気づいたことなのですが、、
この手の風呂は、とにかく熱い。
文字通りの源泉掛け流し、というか源泉をただ垂れ流しているだけなので、蛇口の水で温度調節が必要(セルフサービス)
蛇口を捻って水を出すも全然冷えないし、夏場は特に日焼けした皮膚に高温のお湯が染み入り
これは試練か?癒されにきたんだぞと、こみ上げてきた文句をぐっと飲み込み
風呂に浸かる痛みと戦いながら、長丁場の戦いを一度制してしまうと
ぬるぬるした源泉が肌にまとわりついて、またツーリングで蓄積した腰や首の慰労が癒されていくようで
温泉の効能というものを信じたくなってしまいます。
とはいうものの、風呂にはせいぜい20分程しか入れない性質なので
すぐに大の湯を出て再び街中散策に勤しみます。




路地ばっかりふらふら一人で彷徨い歩いて、エモーショナルな時を楽しみました。本当にえもい。
えもいという言葉が万能すぎて最近えもいえもい言って語彙力が低下している気がしますね・・・
そういや別の人からも 「えもいってどういう感覚?いっちょん分からん」と言われて
「いとをかし と同じ意味だよ」と返答したのですが、果たしてこの答えがあっているのやら。
しかし、そうだとすれば、古文に出てくる文章なんて「をかし」って言葉使いまくっているし、
1000年以上経った今でも持て囃されているくらいなのだから、僕が使用する形容詞をすべて“えもい”にしても
誰からも文句を言われる道理はあるまい。
さて、朝はこのように自由散策時間を設けましたが、後の行程にそれほど余裕があるわけでもないので
10:00駐輪場集合で、今日のツーリングを始めていく予定でした。
予定でした。
でした・・・・・・
時間ぴったりに皆が集まり、各々バイクを押してガレージから出す際に、隼乗りの友人が顔を顰めて唸り声を上げます。
あ~~~~~
この反応知ってるわ。。
何回も見たことあるぞ。
パンクした時のやつな・・・・・・(@_@。
どうやら昨晩台風で路面に飛び散ったゴミを踏んで、先頭を走っていた隼がやられてしまったようで。

すぐにロードサービスを呼んで、タイヤの修繕には何とか成功した為、
途中リタイアという最悪の事態は避けられましたが
なんやかんやで作業が終わった時にはもう12:00前になっていました。

最終日、長野→群馬と観光して東京まで戻らなきゃならんのに、12時になってまだ出発してないって
これ普通に不味くないか。
文句を言っても仕方がない、旅にトラブルは付き物、むしろそのトラブルを楽しめる器になれと
どこかの誰かが言っていたような気がしなくもありません。
僕達一行はパンクの事をとりあえず忘れることにして、
大幅に予定から遅れてしまっている事実からも一旦目を背け、
目の前の景色、ツーリング道路を楽しむことにします。

渋温泉を出てすぐの所から始まる、人気のツーリング名道「志賀草津高原道路」を走って行きますよ(^O^)/

友人の動画から拝借したシーンも入れつつ、
快走路っぷりを可能な限りお伝えしたい。
僕が今まで訪れた道の中でも1,2を争う名道だと思います。


しばらく走って、一旦ドライブインで休憩


このドライブウェイがある辺りの渋峠が、実は国道最高地点とされていて
全国を駆け巡るツーリストとしては是非訪れておきたかった場所ですね!
ライダーは“端”と“高いところ”が好きですから。
それでは突然ですがここで問題。
国道最高地点である渋峠の標高は何mでしょう。
・・・
・・・
・・・
答えは
CMの後ならぬ、次回記事で(^O^)/
みたいな、人の期待を餌に引き延ばして宣伝を挟む商法が嫌いだ。
ということで

でした。
よくある質問 「え、富士山五合目駐車場の方が高くね?渋峠より。」という無粋な問いかけはNGの方向でお願いします。
“国道最高地点”と言っているのだから県道は関係ねェ!
そもそも県道を合わせるなら車が走れない富士山頂付近も県道らしいし、
3700mと比べられたらそりゃ渋峠の存在意義、感慨深さがどこかに行ってしまいそうなので。
それでは再びツーリングを再開すべく、
横手山ドライブインの看板の方から絶景写真を撮っておきます。


ちなみに今から走って行く方向はこんな感じ↓↓

森林限界を超えて荒れた山肌になっている光景、めちゃくちゃワクワクする!
またしばらく高原道路の開放感ある景色の中を走って、

志賀草津道路が人気である所以をありありと感じつつ、
最後に駐車スペースがあったので、もう一度風景写真を撮っておきましょう!



自分とその相棒(バイク)との力で、まだ見ぬ景色を探し求めて、遥か遠い場所にやってきた時の感動を
バイクに乗っていない人にも伝えたいなぁ。
僕はもともと電車や飛行機を使った旅が好きで、今もそれが好きだけれど、
そもそもバイクに乗ることなんて以前は考えたこともなかったけど、
実際にそれをやってみると新しい世界が開けた感じで、電車旅等とは全く違った喜びが広がっていることに気付くんですよね。
それは恐らく車旅でも似たような感情を味わえるのだろうと思いますが。
自分の車で自分の足で遠い場所に来たという実感が至高の喜びとなるのでしょうね。
さて、感傷的な気分に浸るのもほどほどのして
次なる目的地へと向かうとします。

次の目的地は「榛名山」です。
時間の都合で
大学の後輩に勧められていた、群馬県の「毛無峠」はパンクの弊害により行けませんでしたが、あしからず・・・・・・
何の楽しみも無い有料道路万座ハイウェイを下って、
人生初、群馬県突入!
そのまま暫く走って榛名山麓コンビニまでやってきました。

オタクの皆さんなら知っているであろう、ぐんまちゃんのお菓子。
コンビニでの休憩は小休止にとどめ、少し移動して、かの有名な「伊香保温泉」に到着。
丁度1週間前に放送されたばかりのヤマノススメ最新話に出てきたスポット!!




凄い石段だね、何段あるんだろう?
365段。
そんなに!?
1年365日この温泉街が賑わうようにって、願いが込められてるんだって。
ヤマノススメは僕達に何でも教えてくれる。
それでは“ちょっとした登山”ならぬ登段を始めていきますか。

祠的な所には、浴槽に浮かべるアヒルがこれでもかと言わんばかりに並べられている。

ある程度登って後ろを振り向くと、なかなかに綺麗な景色が広がっていました。

そして僕達はまた登り始める。



高校生の女の子が息切れ一つなく登っていたのだから、成人男性の僕達にとって365段なんて朝飯前ですよ。



まぁネタの前振りではなく、普通に登れちゃう感じでしたね。


温泉はこの奥にあるので、丁度適度な運動を促されているような気分。

流石に放送されて間もないので痛絵馬はないか。

しばらくなだらかな傾斜を上がって行くと


赤い橋が見えました!

緑の中に赤は映えますね。
ほのかちゃんとあおいのデートシーンを思い出し、思わずオタク微笑を浮かべそうになるのを必死に抑える僕。
どこに行ってもアニメの事を考えてしまうオタクって本当にキモいよね。


橋から下を見下ろすと、地面が赤茶色に変色していて、これも温泉が含む鉄成分が酸化したものだとか
っていうほのかちゃん解説があった気もしたりしなかったり。

折角なので、アニメに合わせて僕の大嫌いな飲泉にもチャレンジしておきます。
あおいちゃん「健康のために!うぇっ鉄臭い~~・・・」

クソ男「健康のために!ヴぉぇぇぇっ鉄くせぇ!」
そんなこんなで、最奥地にある伊香保温泉に到着!!
よっしゃぁぁぁ温泉来たぞぉ。


受付のお姉さん「こちらバスタオルになります。 入浴券は御必要ありませんか?」
僕「はい、タオルだけです」
受付「あ、はい」
さて、帰りますか。
温泉浸からずにね!
これは365段上った運動により出た汗か
それとも温泉に入る時間がなかった事に対する無念の涙か
はたまたヤマノススメの追体験ができた感動による涙か
頬を滴り落ちる水分を拭く為にタオルを購入するも、


結局もったいなくて未だ使えず。
↓になりたかったですが

まぁ温泉宿に泊まっていたということもあり、比較的温泉欲は満たされているので、
潔く撤退して階段を下ることにします。

伊香保温泉、なかなか雰囲気の良い温泉街だったな!
坂のある光景はやっぱり良いですよね。
長崎にせよ、尾道にせよ、絵になります。
(あ、話が逸れますが、今書いている旅行記事が書き終わったら、次は尾道に行ってきた話を書くのでお楽しみにという宣伝)
365段を下り終えたら、再びバイクに跨り、榛名山の道を走って行きます。
ご存知の方も多いかもしれませんが、
アニメ『頭文字D』の秋名山はこの榛名山がモデルとなっていて、一度来てみたかった場所。
主人公の必殺技、溝落としをする溝も実際にあって感動しますが、
底が深くて再現しようとすれば確実に脱輪して終わってしまう未来しかありません。
こんな追体験いらない。
夕方の涼しい風を浴びながら気持ちよくバイクを走らせ、6連続ヘアピンも実際に曲がりながら
公道レースが繰り広げられるスタート地点にまでやってきました。

ん、このタイヤ痕、遊んでる奴がおるな。
今の時代でもこうやって車でやんちゃして遊んでるのって、個人的に憧れちゃうんですよね。
夜中に山に登ってお祭り騒ぎして、そんくらい日常生活から切り離された時間が身近にあると楽しいんだろうなぁ。
肩書、社会的地位、名声とかそういう縛りを受けず、自由に車やバイクで遊んだりできれば良かったのに。
僕にはそれが無理なので結局憧れは憧れのままで終わってしまうという、つまらない人間であり、息苦しい世の中なことだ。
さて日も少しずつ傾いてきて、辺りが暗くなりつつあるので、最後に近くの榛名湖に移動して旅を締めくくろうと思います。

直線でスピードを出させない仕掛け“メロディーロード”を通り、5分程走って榛名湖に到着。

この場所もイニシャルDにしばしば出てきた重要スポットですね。

人も少なく、静寂な空気に包まれて、
旅を〆る場所としては丁度良い。

今まで走ってきた旅路を回顧しながら、また次の旅へと想いを馳せる。
このメンバーでまた早くツーリングがしたい、それしか考えられない。

沈みゆく夕日に照らされた湖面の輝きがより感傷的にさせてくるのか、色々と物思いに耽りたくもなってしまいます。
あぁこれで楽しかったツーリングも終わりか。
今年の夏も終わるのか。
学生期間に残された二回の夏休みのうち一回が終わってしまいました。
夏の初めに話した「悔いの無いよう楽しみきる」という宣言を有言実行することができたでしょうか。
もう就職したらこんな生活ができなくなるんだよな。
でも歳をとってから思い出としてツーリングした日の記憶をしみじみと感じる日が来るのかと思うと
少し楽しみであったり。
諸行無常的な寂しさは何故か嫌いになれず、あの頃は良かったと何においても懐古厨になってしまう節があるので
老害にならないよう気を付けなければなりません。
ということで、これにて僕の“平成最後の夏”が終わりました。
この文言やたらめったら使われて、言葉の重みを失ってしまっていた気がしたので
僕は大事に大事に、twitter等も含めて初めて最後に使ってやりましたよ。
そして次は平成最後の秋を楽しみ、平成最後の冬との別れを惜しみ、新元号最初の春だとはしゃぎ、そうやって何も変わらず
しかし後から振り返れば、変わらないと思っていたものも常に変わっていることに気づきながら
世の理に身を任せて、なるようになると気楽に人生を謳歌したいですね。
それでは長くなってしまったので、このへんで。
流石に記事を溜めすぎてしまっているので、年末に向けてハイペースで書いていきます(^_^;)
