アニメを判断するのは3話まで見てから。
誰が言い出したかも分からないが広く認められているこの考え方に即して言わせてもらうと、
『宇宙よりも遠い場所』は最高のスタートダッシュを切ったのではないでしょうか。
そう今日は意気揚々とこの作品について紹介させて貰いたい。
今日くらいいきりオタクさせてほしい。
なぜなら、久しぶりに放送前予想のトップ予想を当てようとしているのだから!
(※僕が毎クール放送前に作っている予想では、一位予想を外すジンクスがあって、最近だと『魔法使いの嫁』、『サクラクエスト』、『迷家』あたりを推して見事爆死しています・・・)

『宇宙よりも遠い場所』を既に見ている人には不必要な説明になりますが、
“宇宙よりも遠い”、それが指す意味とは日本から約14000km離れた南極大陸の事であり、
女子高生達がそこを目指すといった突拍子もないストーリーです。
日本最高気温を記録した群馬に住む女の子達が、世界で最も寒い南極を目指すプロット。非常に興味がそそられる。
南極を目指すストーリー?w何でもありだなwwと一笑に付してしまえばそこで試合終了。
その人は無知なまま、くだらない作品ばかり掴まされてオタク生涯を終えるだろう。
この突拍子もない、飛びぬけたテーマを担保しているのは実際の研究機関等が制作協力に入っているということ。
文部科学省、海上自衛隊、国立極地研究所と、制作協力の面々を見れば、万全な取材の下シナリオが書き上げられているのは誰しも分かる事でしょう。
あるテーマを描くなら取材が物を言う。
大して音楽を知らないのにバンドの作品を書いたり、競技のルールや単語を知っている程度でスポ魂を書いたり・・・
あんなんダメですよ!話にならない。
吹奏楽のアニメを作るなら音楽大学や楽団から有識者を招き入れ、ホームステイの女の子をテーマにアニメを作るならココ塾と提携し・・・
このくらいやって初めて名作は生まれるんですよ。
そういう意味で『宇宙よりも遠い場所』は、確かに未開拓な分野を突き進むアニメであるけれども、むしろ他の作品にはないオリジナリティとして“南極”というテーマを扱えると判断したわけです。

もう一歩ストーリーに関して踏み込んだ話をしておくと、今のことろ脚本花田十輝は上手くいっているようですね。
実績は申し分のない花田十輝と言えど、この人はやらかし癖がありますから(※如月轟沈事件等)
軌道に乗るまで不安だったのですが、“魔の3話”を乗り越えたのでもう安心でしょう!
この脚本家の特性を語る際は、『ラブライブ』あるいは『ラブライブサンシャイン』を引き合いに出すと分かりやすい。
・キャラに個性を付加するのが上手い
・メンバー集めのシナリオはお手の物
個人的にこのようなイメージ。
「~ずら」や「ヨーソロー」など、口調でキャラの魅力を引き出すのが上手いなと。
それが『宇宙よりも遠い場所』にも現れていると思います。
白石結月ちゃんの「軽く死ねますね」や三宅日向ちゃんの自己創作名言など、3話にして魅力的なキャラづけが確立しつつあるでしょう。

メンバー集めのシナリオに関しても、「けいおん」や「ラブライブ」の脚本でやりつくしているでしょうし、
南極メンバーを揃えるまでの話も安心して見ていられました。
各々のキャラが心の中に悩みを抱えていて、それを“南極に行きたい”という想いに上手くベクトル転換されていたのではないでしょうか。
とはいえ先ほども述べた通り、花田十輝の脚本に関して好材料しかないわけでは決してありません。
一抹の不安を感じさせられたのはあのシーン。
3話の後半で、結月ちゃんが寝ている時にホテルの窓を叩く音がしてry・・・・・・のシーンです↓↓

梯子を上って何階かも分からないホテルの部屋まで迎えにきた、なんてあり得ないですよね。
実際これは夢オチだったから良かったのですが、花田十輝ならこの程度の無茶話など本気でやりかねませんよ。
勢いに任せたオーバーで超人的なシナリオ展開はこの人にとって通常運転ですから。
ラブライブサンシャインで車を飛ばせて視聴者を困惑させたこともあるくらい↓↓

そのように考えると『宇宙よりも遠い場所』がアニメとして成功するか否かはこれからが肝心。
メンバー集めという得意分野を終えて、どのように展開させていくか。
シナリオが進むほど南極に突っ込んだ話を書かなければいけないが、面白さを維持できるのか。
僕の予想では4話~8話あたりで一度沈むと思います。
理由としては、これからもうしばらく南極に行けるかどうかの鬩ぎ合いをしなければならないので、必然的にダレるということ。
まずは3話最後の伏線回収、結月母がとある写真を眺めているシーンですが、あれは恐らく報瀬親子でしょう。

多分自分の若かりし頃を見ていたのではないと思いますよ。(ネットでは間違って捉えている意見が多かった)
結月母はただのマネージャーではなく、報瀬母と過去の因縁がある気がします。
そこらへんの話を南極観測隊の他の女性たちも交えながらやるストーリーがありそうというのが一つ。
そして、他の伏線と言えば、玉木マリちゃんが「南極南極」言い始めて、友人の眼鏡っ娘の表情に影が差すシーン。
もしかすれば日向ちゃんの不登校の理由なんかも掘り下げて話し出すかもしれない。
そうなってくると、まぁまぁ最初のテンポの良さは無くなって、陰鬱なストーリーに嫌気がさしてしまうかもしれませんね。
日本でのグダグダ話を上手く描写しつつ、8話あたりまでで手仕舞いできれば良作。
11話まで続けて最後駆け込みで南極入りしたら凡作。
このようなイメージで引き続き『宇宙よりも遠い場所』を見ていこうかなと思います。
長々と語ってきましたが、『宇宙よりも遠い場所』を評価する声は日に日に高まっており、ここで見始めないと勿体ない作品です。
シナリオも演出も作画も声優の演技さえも、どれを取ってもレベルの高いオリジナル作品なんて滅多にありませんし
アニメ好きなら是非自分の目でその行く先を見届けて欲しいですね。
久々のアニメ語りはこれくらいにしておきます。ご精読ありがとうございました!