ハルチカ、今期放送のP.A.制作アニメですが、最初の2、3話であまり面白くなく切ってしまったという人も多いのではないでしょうか??
僕もそのうちの一人で、P.A.に求めていた作風とのギャップに耐えられず2話で見るのをやめてしまっていました。
しかし、自分の好きな制作会社の作品を最後まで見ないのはどうかと思い3話から再度見直し始めたところ・・・
存外面白く感じるようになり、最終回まで見終わった今になっては普通に良い作品だという感想に一転しました!
そして居ても立ってもいられなくなり感想記事を書いた次第であります。

まず、ネット掲示板やツイッターなどでこの作品に対する感想を調べていると、
「そもそも最初で耐えきれず切った」 という人と 「最終的にまずまずの作品だった」という人で評価が二極化しているように思いました。
つまりある程度まで見た人はそれなりにハルチカを楽しめたというわけです。
このことはハルチカが“尻上がりに面白くなった”という安直な理由に帰結するとは思えません。
視聴者側が“ハルチカのルール”に馴染んだからこそ作品を楽しめるようになったのだと僕は思います。
では“ハルチカのルール”とは如何なるものなのか。
第一にこの作品はあくまで推理系のストーリーなのであって吹奏楽部一色の部活モノではないということです。
おそらく僕たちが最初に期待していたのは『響け!ユーフォニアム』だった。しかし蓋を開けてみれば『氷菓』だった。
このような期待と現実のギャップに戸惑い、話に入り込めなかったのではないでしょうか??

第二にハルチカのストーリーはそれに対する理解を視聴者の裁量に大きく依存しているということです。
言い換えればストーリーの展開や説明を省略し、見る側の読み取り能力に任せているのです。
例えば、部員候補のキャラ達の問題を解決してあげたら、次話からはごく当然のように部の一員として振る舞っていたり(入部に至る直接的な描写を省略)
5話や8話ではベトナム戦争や学生運動といったコアな歴史的背景を知っていないと話が見えてこなかったりと、
このような点は視聴者側の集中してアニメを見るといった態度がなければ置いてけぼりにされます。
説明を放棄し受け手に投げるというのには賛否両論ありますが、
考えても考えても何も見えてこない「グラスリップ」のような作品とは違い、しっかり話を追っていけばパッと話の展望が開ける瞬間があります。
「グラスリップ」では作者の中で自己完結する“謎ポエム”であるところを、「ハルチカ」はメタファーという正真正銘の表現技法なのです。

以上のような“ハルチカのルール”に馴染んて来たら、自然とストーリーを追えるようになり面白く感じてきます。
ハルチカの設定にはきちんと意味がある。
ハルタをホモ設定にしたのも、腐狙いか?と考え敬遠してしまったのは安直だったと反省しています。
後になってみれば、「あれは百合を際立たせて単純なラブコメに流れていくのを防ぐためだったんだなぁ。」と再考させられもします。
結局、『ハルチカ』という作品は、同制作会社の『TARITARI』や『花咲くいろは』といった比較対象には格段に劣るものの
作画の安定性、筋の通ったストーリーを鑑みれば並の良アニメくらいの作品ではあると思います。
腐っても橋本監督×P.A.ですからね。
冬アニメの締めとして、春アニメまでの繋ぎとして、是非この作品を最後まで視聴してみてください。
途中からは普通に面白いと思えるようになってくると思いますよ!

(蛇足ですがチカちゃんの可愛さはまさに尻上がりだった。)

(蛇足ですが聖地巡礼にはまっている身としては、手の込んだ街の描写はベリーグッドです。)

急遽アニメの感想記事を書きましたが、冬アニメの総括記事はまだ一切書いていません(^_^;)
そして明日からオーストラリア旅行に行ってきます。
もしかしたら向こうから冬アニメ記事を更新するかもしれませんし、旅行日記を更新するかもしれませんし、、、
そこはどうなるか行ってみないと分からないですが、なるべく早く冬アニメ総括記事は書こうと思っていますので、またのご訪問宜しくお願いします!